600字物語016賢者の卵と大賢者

賢者の卵「わたしを入門させてください!」
大賢者「君は今、1センチの解像度で世界を見ている。だから1ミリの違いは分からない。もし学んで1ミリの区別がつくようになったなら1センチのままの人々にどう対処する?」
賢者の卵「わたしは丁寧に教えて正しいやり方を選択するようにみんなを導きます」
大賢者「1センチの認識が1ミリに変わる時、扱える容量が1リットルから1000リットルに増える。しかし周りは1リットルのままだ。君は1リットルの容器に1000リットルの水を入れられるというのか?」
賢者の卵「賢くなれば周りを憎むというのですか?」
大賢者「関わることをやめて見捨てるか、積極的に差別するか。相手の意見を尊重しつつ、分かってもらえなくても気を配り続ける寛容で忍耐力のある人は少ない」
賢者の卵「分からない不安にくらべたら、分かってもらえない孤独の方がましです。あきらめずに働きかけられます」
大賢者「君の方が正しく正しい選択をすると分かった時、人々は君を盲信するだろう」
賢者の卵「それのどこが問題なのですか?」
大賢者「君がわたしの話を理解した時、忠告の意味が分かるだろう」
賢者の卵「心に書きとめておきます」
大賢者「入門を許そう。答えだけ知ることはできない。体験してみるがいい」
賢者の卵「精進いたします」

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